短編-剣拾い-

空想物語

旅立ったとこでの出会い。
何を手に入れられたら嬉しかったのか。
あなたを空想の世界へ誘えますように。


【小休止】


【剣拾い 前編】

 突然に舞い込む依頼。
「ラル殿、王様より伝令です。街外れにある洞窟を調べて来て欲しいとのことです」

「伝令ありがとうございます。明日より出発しますと伝えてください」
 ラルは伝令さんにお礼を言い、受けますという旨を伝えた。

「いえいえ、では失礼いたします。お気をつけて」
 伝令さんは伝え終えると、王様の所へ戻って行った。

 ラルは冒険に備え、バッグ内を整理してベッドに入り眠りについた。

 次の日、洞窟を目指し街を出た。
 洞窟は街から20分くらいの近場にあった。

 洞窟に入り伝令さんからもらった地図を広げた。
「地図には何が書いてあるのかな」
 地図には丸印があり、何があるのだろうとワクワクしていた。

 地図を読みながら、奥へ進んで行くと宝箱が見えた。
「やっと見つけた!宝箱!」
 
 宝箱に近づきドキドキしながら開ける。
「やっと1つ目のお宝だ。何が入っている。」
 開けると中には黒い剣が入っている。

 今は1本の短剣しかないので、剣も持っておこうと黒い剣を手に取った。
 ラルは剣をしまう物が無く、引きずりながら洞窟を歩くことにした。


【小休止】


【剣拾い 後編】

 丸印を目指し、ひたすら洞窟内を歩き続ける。
「この洞窟広いくせに、何も出てこないな。」
 モンスターが出てきても良いのではないかと、ラルは不満げにしつつ歩く。

 剣をズルズルと引きずりながら、やっと2つ目の丸印に着いた。
「2つ目の宝箱の中身は何かな」
 ワクワクと期待を膨らまして宝箱を開ける。

 開けると銅の剣が入っていた。
「えっ!?なんで、また剣が入ってるの!」
 驚きつつ銅の剣を手に取りズルズルと、次の丸印へ向かう。

 3つ目、4つ目、5つ目とどんどん歩き回り、計8ヵ所の宝箱を開けた。
 全ての宝箱に剣が入っていて、計8本の剣が手に入った。
 黒に銅に銀に金。炎に水に木に毒……。

「重すぎる…どんだけ剣入れてるの。だったらまとめて入れといて欲しかったよ!」
 ぶつぶつと文句をたらしつつ、洞窟を出て街へと帰る。

 ザッザッザッ、カンカンカンと剣を引きずり街へ帰ってきた。
「重い、重すぎる。一旦鍛冶屋の方で剣を見てもらおう」
 王様へ報告をする前に鍛冶屋へ行くことにした。

 鍛冶屋に着き、一旦剣を置き店主を呼ぶ。
「すみませーん。店主いるー?」

 店主は店奥から出てきた。
「なんだいラルさんよ。短剣の修理かい?」

「はぁ、はぁ、、店前に来て欲しいんだ。いっぱい持ってきたんだ。」
 ラルは息を切らしながら、店主に広げた剣を見せた。

「なんだこの鮮やかな剣は、どこから持ってきたんだ?」
 店主は色とりどりの剣に驚いた。

「王様の願いで洞窟に行ったら、剣がいっぱいあったんだよ」
 ラルは少し愚痴みたいに言った。

「そうなのか、しかし全て刃こぼれが酷いことになっているぞ」

「ここまで引きずっていたから、削れたのかもしれない」
 剣を改めて冷静に見て、酷い刃こぼれに反省をした。

「刃部分を1つにしてやるから、気に入ってるやつを選びな」

「わかった。この紫の剣でお願い」
 ワクワクする店主の気遣いに気分が上がるラルだった。

「おう紫な、鍛錬しといてやる。王様の所行ってきな。」
 店主は剣を抱えて作業場に戻って行った。

 ラルは8本の剣を店主に預け、剣を楽しみにしながら王様の所へ報告しに向かった。


【小休止】


【最後に】

・最後まで読んでいただきありがとうございます!

・1日中、剣引きずっているの大変そうですよね。
自分だったらどこかに置いてきてしまいそうです(;’∀’)
1本の剣になったら鮮やかで楽しい剣になり目立ちそうです(/ω\)

・空想物語は不定期に更新していきます。
楽しみに待っていただけると嬉しいです。
お気軽に感想や修正点などのコメントしていただけたらと思います(^^ゞ

・ぜひ、今後ともお付き合いをよろしくお願いします。
空想世界へまたのお越しをお待ちしております<(_ _)>

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